機内食まめ知識
飛行機に乗ると出てくる機内食を楽しみにしてる方も多いと思います。何気なく食べていますが、意外と知らないことが多いものです。以前、機内食の製造に携わっていた時の経験を基にご紹介したいと思います。(実際は機内食を作るばかりで実際機内で食べたことほとんどありません)
実際に搭乗したときの写真です
国内線   国際線 
Q1.日本で機内食はいつから出るようになったのですか?

1951年(昭和26年)、戦後の国内線復活と共に搭載されたのが始まりです。そのときのメニューはサンドイッチと紅茶だったそうです。
Q2.機内食が出ない便が多いのですが?

残念ながら現在は国内線のエコノミークラスに関して機内食の搭載はありません。スーパーシートは一部の便で朝食・軽食・夕食のいずれかが提供されます。国際線は飛行時間(帯)に合わせた食事がどのクラスでも出ます。ただし、国際線でも飛行時間の短い路線では機内食が出ないことがあります(福岡−釜山線など)。
Q3.メニューは毎月変わるのですか?

各航空会社や路線によって違いますが、基本的には年4回季節の変わり目に変わることが多いです。特例として、クリスマスにはクリスマスケーキが、元旦にはおせちのセットが出ることもあります。
Q4.メニューは誰が決めるのですか?

メニューは年に数回変わるとは前にお話しましたが、その中身については航空会社とケータリング会社とが何ヶ月も前から何度も打ち合わせをして決められます。季節に応じた食材を用いたり、国・地域に固有の食材を使ったりといろいろなアイディアのかたまりなのです。例えば日本発便ではお寿司が出たり、韓国発着便にはビビンバが出たりします。メインディッシュは肉or魚が中心ですが、その味付けも洋風や中華風、タイ風などあり、最近は和風の味付けも取り入れられるようになっています。
Q5.よく「(茶)そば」を見かけるのですが?

そばを出す航空会社は多いです。いろいろ理由はあるようですが、日本発の便ですから何かしら日本をイメージさせるものをメニューに入れたいという事が大きいようです。あとは乾燥した機内ではつるつるとしたそばののどごしが心地よいというのもあるようです。会社によっては夏に「そうめん」を出すところもありました。
Q6.宗教的に受け付けられない食べ物があるのですが?

宗教的な理由や病気の関係で通常の機内食が食べられない人も事前に申し込めば、それに応じたメニューを用意してくれます。また、子供向けのチャイルドミールを用意してくれる事もあります。詳しくは各航空会社にお尋ねください。
Q7.味が薄いような気がしますが?

これについては仕方のない部分があります。事前に作る以上、すべての人の味の好みに合わせることが出来ません。そのため、薄味なものになってしまうのです。味が薄いと感じる人は一緒に付いてくる塩・コショウ・(しょうゆ)を使って味付けして下さい。
Q8.いつ機内食を作るのですか?

昼出発の便ならば、その12時間ほど前から準備は始まっています(工場は24時間365日フル操業です)。
工場は衛生面において厳密に管理されています。出来上がったものから順に機内に搭載されるまで冷蔵庫の中で保管されています。
メインディッシュを除いた食材が冷たいなと感じたあなた、それは機内食が厳重に管理されてきたことの証拠です。
Q9.なぜ、食器がプラスチックなのですか?

確かに、食器がプラスチックなので寂しく感じるかもしれません。ですが、飛行機は離陸するための最大重量が決められているので、お客さんをたくさん載せるためにはそれ以外のものを軽くする必要があるのです。重量を少しでも軽くするための苦肉の策なのです。さすがにビジネスクラス以上では陶器の食器を使っています。
Q10.乗務員は何を食べているのですか?

万が一(食中毒等)を考えて、客室乗務員の一部は乗客と違うものを食べるようにしています。さらに、機長と副操縦士は食材からソ−スに至るまでそれぞれ違うものを食べています。ただし、内容はエコノミークラスの内容とほぼ同等です。
Q11.なぜ、エコノミーの機内食には水があるのですか?  

これにはいくつか理由があると思われます。
ただでさえ忙しい機内サービス時には、食事中の飲み物のリクエストに応えられないことがあるので、とりあえず全員に基本的な飲み物を配っておきます(それでも足りない人は呼んで下さいということです)。水は無味なので誰にでも合うという無難な考えもあるようです。また、水事情が良くない海外では水は買う事が多いですよね。ミネラルウォーターは航空会社からの(特別)サービス品の意味合いを含んだものともいわれています(「水=無料」の日本人の感覚では分かりにくいかもしれません)。日本の航空会社がミネラルウォーターの搭載をしない事があるのはそういう潜在的な意識が絡んでいるようです。最後に、フィンガーボールの名残とも言われています。
Q12.ビーフが食べたかったのに「売り切れ」と言われてしまいました

メインディッシュ(ビーフor魚の二種類の場合)はおおよそ半々で搭載されます。まれに6:4や7:3の割合で搭載されることもあるのですが、それでも前の人たちの注文によってはすべての人の希望に応えられないのが現状です。
Q13.航空会社によってまずまずな機内食と、とんでもなく美味しくない機内食があるような気がするのですが
(kani様からのご質問より)

同じ路線でも航空会社によってまっずい機内食とそこそこいける機内食があるのは仕方がないことかもしれません。ただ、それにはいくつか理由があるので、その具体例を味に影響が大きいと思われるものからいくつかご紹介します。

1)予算
同じ路線でも各航空会社が機内食に充てる予算は違います。まず、クラス別でいえば、仮にエコノミークラスの予算を「1」とすると、ビジネスクラスはエコノミーのおおよそ3倍、ファーストクラスはビジネスクラスのおおよそ2倍ほどです。次に、同じ路線でも機内食に充てる予算は航空会社間で差があります。ですから、例えば香港に行くときに航空会社が違ったり、クラスが違えば出てくるもの(その料理の質)が変わってくるというものです。

2)担当者
簡単にいえば、海外で食べる和食がどうも日本人にはいまいちであると同様に、機内食の担当者が現地の人メインであればあるほど、日本人には思いつかない味付け(スパイス・調味料等の投入)を行うことがあります。逆に言えば、そうしないと現地の人は美味しいと思わないのです。よって、「和食」と思って期待したものの「???」と思うことがあるのはこのためです。

3)搭載地
上の話と少しダブりますが、機内食をどこで搭載するかによっても変わるでしょう。基本的には現地発は現地製造の機内食を、日本発は日本製造の機内食を搭載します。そんなことから「日本発の和食は美味しい」(←日本人が中心になって調理したから)といううわさに繋がるのです。現地製造の機内食は日本人には合わない味付けがあるかもしれません。でも、その逆もあり得ますよ。エアインディアのカレーや、タイ国際航空のタイカレーなどは日本では真似のしにくい良いものだと思います。航空会社によっては物価の高い日本での搭載をせずに往復分現地で搭載する会社もあります。そうすれば、いくら日本発でも「??」と思える機内食が出てくる事はあるかもしれませんね。
Q14.メインディッシュは何時どのようにあたためられるのですか?(パンなど冷たいと思っていましたが・・・。)
メインディッシュは機内でレンジされるのですか?

(ginpei様からのご質問より)


よく見てみると、メインディッシュの器もアルミ製(もしくは陶器製)になっているはずです。機内搭載時、メインディッシュだけは別の収納ケースに入れられます。これは機内のギャレー(機内食を準備するところ)にあるオーブンに入れるためのもので、離陸後ベルトサインが消えてキャビンアテンダントが慌ただしく動き始めたその時に再加熱をはじめます。
galley※あくまでも暖めるだけであって調理はしません。

では、機内搭載時のカート(CAが機内食や飲み物を配膳するときに押してくる箱車)の中はというと、メインディッシュを除いた状態の料理が収納されていて、それはお客様に提供する直前まで冷蔵されています。配膳する直前にオーブンで暖めたメインディッシュをトレーに乗せてお客様の元に向かうのです。よって、パンも何となく冷たいままみなさんの前に出てきてしまうのです(ビジネスクラス以上ですと、パンもオーブンを使って暖めます)。
Q15.長距離線では2.5回(0.5回は軽食)食事が出ますが、最初に出されるものと次に出されるものはかなり時差があります。後の方は長く冷蔵されるのに適したものとか、メニューに反映されるのですか?
(ginpei様からのご質問より)


長距離線の場合、到着時刻を基準にして若干のアレンジが行われます。基本は離陸後最初に提供される機内食に重きが置かれ、巡航中には希望者に配られるスナック(パンやおにぎり等)が用意されています。到着前には、その時の日本時間が何時であろうと「到着地時間に合わせた軽食」(午後ならサンドイッチや軽いホットミール、朝ならフルーツや朝食)が提供されます。ただし、夜行便の場合は、離陸後最初に提供されるものは簡単につまめる軽食に留めておき(睡眠を優先したい人も多いので)、到着前に朝食が主として提供されます。
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